老後を心配する人続出?正社員・退職金制度なしの会社の厳しい現実

正社員・退職金制度なしの会社で老後の生活を考えてみる
  • 退職金ってあるのが普通なの?
  • 将来どれくらいの金額をもらえるんだろう?
  • 退職金制度がない会社は良くないのだろうか…

 
こういった”退職金”に関する疑問を持ち、不安に思っている人は多いと思います。

 
いきなりですが、あなたの会社に退職金制度はありますか?

 
人によっては「分からない」なんて方もいるかもしれません。

 
もし退職金制度の存在自体が曖昧で心配なら、すぐにでも会社に確認を取りましょう。

 
何故かと言うと働いている会社に退職金制度があるかないかで、将来の暮らしが全く別のものになる可能性があるからです。

 
実際今の時代に年金は当てに出来ないとして、退職後に頼れる資金の大部分は退職金になりますからね。

 
だからせっかく正社員で働くのであれば、退職金がもらえる選択肢を選んでいきましょう。

 
この記事では、退職金制度なしの会社で定年を迎えた場合の将来を考えながら解説していきます。

退職金制度がない会社の割合

まず、退職金制度の有無を企業全体の割合でみていきましょう。

 
駆け出しのベンチャー企業が増える昨今ですよね。

 
退職金がない会社が増えてきているとはいえ、実に4分の3以上の会社が退職金制度を実施しているといえます。

POINT!

  • 退職金制度あり → 75.5%
  • 退職金制度なし → 24.5%

 
続いて下記の表は退職金制度の有無を企業の規模別にまとめたものです。

 
やはり企業の規模が大きい大企業ほど退職金制度があり、中小・零細企業ほど退職金制度がないという傾向が分かりますね。

 
しかし、中小企業でも従業員の福利厚生に力を入れている企業は積極的に退職金制度を取り入れています。

 
これは企業規模に関係なく「会社が従業員を大切にしているかどうか」の指標としても見ることができるとも言えます。

企業規模の目安退職給付がある企業退職給付がない企業
1,000人以上93.6%6.4%
300~999人89.4%10.6%
100~299人82.0%18.0%
30~99人72.0%28.0%

出典:平成25年就労条件総合調査 – 厚生労働省

退職金の相場

次に退職金の相場を見ていきましょう。

 
これは厚生労働省が平成25年に調査した内容で、下記の表はいずれも勤続年数が35年以上の正社員を対象としたデータです。

 
平成20年度の数字から見ると平成25年度は少し数字が下がっています。

 
ただそれでも大学卒で勤続35年以上の人の退職金は2,000万円を下回ることはありませんでした。

 
また、学歴や職種によって多少の差はあれど平均しても1,500万円ほどが支給される計算になります。

学歴と職種退職金(平成20年度)退職金(平成25年度)
大学卒(管理・事務・技術職)2,280万円2,156万円
高校卒(管理・事務・技術職)1,970万円1,965万円
高校卒(現業職)1,493万円1,484万円

出典:平成25年就労条件総合調査 – 厚生労働省

※現業職とは生産や販売業、運輸業などの直接業務に従事する職種を指します。

退職金の使い道

さて、退職金の相場が分かれば気になるその使い道です。

 
ここでは過去に博報堂が団塊世代に対して行った”退職金の使い方”に関する調査データをもとに、退職金の使い道を見ていきましょう。

退職金の8割近くが貯蓄や投資へ

下記が58歳~60歳男女314名による支給直後の退職金の使い方になります。

退職金の使い道全体における割合
1位貯蓄52.6%
2位投資運用16.5%
3位ローンの返済15.5%
4位消費15.4%

実際に数字を見てみると老後の生活に備えた「貯蓄」の割合が5割以上と非常に高く、次いで「投資運用」「ローン返済」「消費」と続きます。

 
この調査内容は退職金の支給直後という側面もあります。

 
ですがローンの返済まで含めれば、現実に退職金の8割以上を「老後の生活」に充てていると見ても大げさではありません。

 
注目したいのは投資運用を行うような計画的な人でさえ、退職金の大部分を老後の生活に充てるという傾向から、定年後の生活への備えがいかに重要と考えられているかがわかります。

出典:団塊世代 退職金の使い方 – 博報堂

定年後にかかる費用

退職金と聞いて真っ先に気になるのは定年後にかかる費用です。

 
総務省統計局による「世帯属性別の家計収支」の調査を見ていきましょう。

 
夫65歳以上妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は、社会保障給付を含めて207,347円です。

 
またそこから実際に定年後にかかる1か月の消費支出は239,485円とされています。

POINT!

  • 実収入=207,347円
  • 総支出=239,485円
  • 不足分= -61,560円

 
不足分の61,560円は当然ですが、自分の蓄えから捻出しなければなりません。

 
こういったデータから年金などの給付をきちんと受けていたとしても、足りない生活費を工面するためにはある程度のお金が必要という事が見えてきます。

出典:世帯属性別の家計収支 – 総務省統計局

退職金がない会社に勤めていて大丈夫?

退職金が無くても給与や賞与が多い場合はあり

退職金制度がない会社の場合でも、その分が給与や賞与に反映されている場合は問題ありません。

 
若いうちに何かに投資をしたいという人もいますし、人によっては人生設計上プラスに働くことも考えられます。

 
そもそも転職を考えている場合には先に受け取れる形になる為、逆に都合が良いなんてこともありますね。

 
ですが”退職金なしで先払い”の会社で一生勤め上げる場合にはよく考えたほうがいいです。

 
一般的にもらえる退職金の金額と比較して、給料やボーナスに反映される額が高いのか低いのかを必ず計算しておきましょう。

退職金が無くて給与や賞与も低い場合は注意

上記のような先払い制度がなく、退職金制度がない会社は避けるべきです。

 
せっかく正社員として働いているのであれば、老後の生活資金を作れないのは尚更もったいないと言えるでしょう。

 
退職金制度がなければ当然ですが、老後の資金を自分で蓄えていかなければいけません。

 
人によっては将来のローンの支払いも相当考えなくてはいけなくなります。

 
給与や賞与の水準が極端に高ければ別ですが、退職金がない分を毎月の給与や賞与で積み立ててまかなっていくには限界がありますからね。

 
現実的に言えば持ち家や子供の教育など、何らかの選択肢を諦める必要も出てきます。

 
それほど人生設計をする上で重要な「退職金」です、将来を考え退職金制度のきちんとしている会社で働きましょう。

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