正社員なのに社会保険なし?そんな会社に勤め続けても報われない理由

  • 入社してから社会保険に入れないと聞かされた
  • 正社員なら社会保険には入れて当たり前なんじゃないの?
  • 社会保険に入れない正社員なんて意味があるのだろうか?

 
せっかく入社したと思ったら、社会保険に入れない…こういった悩みに遭遇した方は少なくないと思います。

 
結論から言ってしまうと法人の社会保険未加入は違法で、加入していない正社員はアルバイトと何ら変わりがありません。

 
むしろ、きちんとした企業はパートやアルバイトでも社会保険に加入させている位です。

 
また、そういった会社には従業員のことを少しも考えていない経営者が多いため、労働環境や待遇なども漏れなく悪いことが非常に多いです。

 
この記事では正社員なのに社会保険に入れない人が、今の会社に勤め続けても報われない理由について解説していきます。

社会保険とは

社会保険とは失業や高齢化、介護などのリスクに備えるために備える保証制度です。

 
保障の範囲は下記の5つに分かれており、厚生年金と健康保険料・介護保険に関しては労働者の月額報酬額に対して設定される等級に応じた保険料を、事業主と労働者で折半して支払う形を取っています。

  1. 健康保険・・・雇用主と労働者で折半
  2. 厚生年金・・・雇用主と労働者で折半
  3. 雇用保険・・・雇用主と労働者で一部負担
  4. 労災保険・・・雇用主の全額負担
  5. 介護保険・・・雇用主と労働者で折半

 
特徴としては、それぞれの保険で雇用主と労働者の負担比率が異なることです。

 
この記事では、主に会社側の負担比率が大きい「健康保険」と「厚生年金」の話を中心に書いていきます。

社会保険の適用条件と加入義務

社会保険にはどういった加入基準があるのかというと、法人であれば100%加入していなくてはいけません。

 
つまり、あなたの勤めている会社が「株式会社」や「有限会社」などの法人格を有していて未加入の場合には、社会保険加入の義務を無視していると言っていいでしょう。

 
厳密には法人と個人において、下記のような条件で加入が義務付けられています。
 

  • 法人事業所・・・従業員が1人以上いる株式会社や有限会社など法人化している企業
  • 個人事業所・・・自営業や個人事業主で、常時雇用されている従業員が5人以上いる場合

 
このように、法人化している企業は例外なく加入が義務付けられており、自営業者や個人事業主に関しても、5人以上の従業員がいる場合は加入する決まりとなっています。

 
法人・個人ともに、上記の条件に当てはまっているにも関わらず社会保険に加入していない事業所は、違法に社会保険への加入を逃れていると言えます。

中小企業が従業員を社会保険に加入させない理由

人件費以外の固定費を払いたくない

中小企業の経営者が従業員を社会保険に加入させたくない理由は、「固定費の増加」を嫌うためです。

 
どういう事かというと、社会保険に加入をした場合は社員を一ヶ月雇う月給の他にも、毎月の保険料の支払いをしなくてはいけません。

 
この出費が経営者にとっては「痛い」という訳です。

 
会社側からすると雇用保険は一部負担、労災保険は全額負担、厚生年金・健康保険・介護保険の3つに関しては、労働者と折半という形を取っていますが、給料が高くなれば高くなるほど保険料が増える仕組みとなっており、負担は増える一方となります。

 
こういった給料以外の出費を何とか抑えるために、加入義務がありながらも社会保険に加入しないという会社が存在するわけです。

社員の将来より役員の報酬を優先させたい

ただ、だからと言って従業員を何十人も雇っている会社が社会保険に加入したとしても、いきなり会社が潰れるほど経営が厳しくなるとは限りません。

 
もし、加入してすぐに潰れるような経営状態であれば、常に倒産の危機にあると言っていいでしょう。ですが、あなたの会社は本当にそんなに危ないでしょうか?

 
実際にそんなことはなく、社会保険に加入せずに浮いた分を役員報酬などに充てているのが現実です。

 
「社会保険に入ったら会社がきつい、潰れる」というのは、ブラック企業などからすれば常套句のようなものですが、そういった事を言っている会社ほど役員たちの金回りが良かったりします。

 
社会保険の未加入で浮いた分のお金を、しっかり自分たちに回しているからです。

社会保険の無い会社で働き続けるデメリット

①将来的に受け取れる年金額が大幅に減る

社会保険に加入していない事で一番のデメリットは年金受け取り額の大幅な低下です。

 
労働者の給与にもよりますが、例えば月給20万円の正社員など大抵の場合は厚生年金を支払う方が、毎月の負担額は増えてしまいます。

 
ですが、実際に受け取れる金額にかなりの違いがあります。

 
年齢的に若ければイメージがしずらいかもしれませんが、定年になり働かなくなれば年金を主な生活費として考えなくてはいけません。

 
つまり、老後の生活レベルが社会保険に入っているか入っていないかによって左右されると言っても過言ではないという事です。

②雇用保険がないと失業保険がおりない

雇用保険に加入していなければ、将来的にケガや病気などで退職を余儀なくされたときに失業保険が全くおりないという事になります。

 
年齢を重ねれば重ねるほど怪我や病気のリスクは高まりますし、もしあなたの会社が倒産したら次の働き口を探すまでの貴重な生活費になります。

 
人間も会社も年を重ねるほどボロが出やすくなりますが、そこに何の保証もないのは控えめに言っても怖いですよね。

 
こういった雇用保険に入っていない会社は年金額うんぬん以上に、社員を病気やケガ・倒産リスクなどの将来的な不安から守ろうという気が一切ない判断していいでしょう。

従業員の事を考えない会社では決して報われることはない

ここまで書いてきたように、社会保険に入っていない会社は基本的に従業員のことを考えていません。

 
むしろ自分たちが良ければいいと思っているくらいです。

 
そうすると「俺たちも入っていないんだ!生意気言うな!」なんて言い出す経営者もいるかもしれません。

 
ですが、社会保険の加入は義務です。

 
きちんとした会社は、パートやアルバイトでさえも雇用保険に加入しているところがあります。

 
この記事を読んでいる「正社員で社会保険に入っていない方」は良く考えて下さい。

 
私は断言できますが、こういった従業員のことを何も考えていない会社に勤め続けても、あなたが報われることは決してないでしょう。

 
そもそも、きちんと賞与(ボーナス)は出ていますか?退職金制度とかあるんでしょうか?

 
社会保険に未加入の会社で、この辺りの待遇がきちんと整備されているところは非常に少ないと思います。

 
会社に疑念を持ちながら将来への不安を抱えて生きていくのは辛いです。

 
従業員のことを考えない会社に人生を使ってしまうのではなく、社会保険や賞与・退職金などがきちんと整備された会社を探しましょう。

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