小さい会社を就職先として考える場合、
「ちゃんと給料は出るのか?」とか「経営が不安定で危ないんじゃないか?」っていう不安を持つ人がほとんどです。
それを分かっていても大きい会社が性に合わない人や、縁あって面接の機会を貰うなんてこともある。
中には新卒の人でも最初から「小さい会社で働きたい!」っていう人がいてもおかしくありませんよね?
でも結論から言うと、小さい会社でも”良い会社”に入れればメリットが沢山あるんですよ。
事実、入った時は小さい会社でも伸びる要素のある会社なら、後々に重要なポジションにつけるなんてことも普通にあります。
だから「小さい会社への就職に前向きになれる情報」があれば、色んな人の転職の選択肢が増えるのでは?と思ってこの記事を書きました。
ポイントさえきちんと押さえれば、小さい会社は人生を変えるきっかけにもなりえます。(これホントです。)
この記事ではそんな小さな会社へ就職するメリットとデメリット、小さい会社に就職する上で大事な心構えについて書いていきます。
※記事は実際に従業員5人未満の会社で働いた僕の経験に基づいた内容になっています。
小さい会社へ就職するメリット
①仕事のスキルが伸びやすく経験値が溜まる
小さな会社は人員が少ないため、必然的に1人で幅広い業務に関わることになります。
1人2~3役は当たり前、若くてもすぐに仕事を任せてもらえることがほとんどです。
その結果として仕事のスキルが伸びやすく、大きい会社の5年分を1年で経験できるようなイメージですね。
小さな会社では煩わしい決済なども無いに等しいので、仕事が好きな人にとっては手ごたえを感じられる環境と言えるでしょう。
②大きい会社より自分の仕事が評価されやすい
小さい会社では1人1人の仕事内容が会社の成果に直結するため、良い仕事をすれば自然と目立つことになります。
また人数が少ない分、経営者など会社の上役があなたの仕事を評価する機会も当然多くなりますよ。
これが規模の大きい会社だと、どんなに良い仕事をしてもそれが上に伝わることはほとんどありません。虚しいくらい。
会社が小さいと自分の仕事に対する反応がすぐに分かるので、仕事を面白いと感じることも多くなりますよ。
③本人にその気があれば出世のスピードも速い
小さな会社の場合、そもそも人数が少ないため”出世のポスト”に空きがあることがほとんどです。
部長や課長なんて役職もまだないですし、自分より先に入った人が1人辞めただけで自分が一番偉くなるなんてこともザラにあります。
また、小さい会社では仕事が評価されやすいことに加えて社長との距離も近いため、出世のチャンスに恵まれていると言えます。
社長との距離が近いということは、会社が求めている能力や人材像を直接聞いて実行することが可能ですからね。
④業績が急激に伸びれば収入も期待できる
運良く会社の成長期に立ち会うことが出来れば、その恩恵に預かって給料が跳ね上がることも少なくありません。
それだけでなく、会社がどんどん大きくなっていく過程をリアルタイムで経験することができます。
会社が大きくなる前から在籍していれば、会社が大きくなるころには重要なポジションを任されていることがほとんどでしょう。
大きい会社では経験できない収入増と、ワクワクするような人生経験を手にできる可能性があります。
⑤異動や転勤がないので腰を据えて働ける
小さい会社は基本的に”支店”などを持たないため、転勤がありません。(※働く場所が1つしかないという意味です。)
今住んでいる土地が好きで離れたくない人にとっては、転勤がないというだけで安心して働けます。
そもそも転勤や異動がある会社なら毎年自分にも転勤の可能性がある訳ですし、地方への引越しとか本当に大変ですからね・・・。
これは将来家を買いたい人や、そばにいる両親の老後が心配な人などにとって十分なメリットになりえます。
小さい会社へ就職するデメリット
①仕事に対する1人あたりの責任が大きい
大きい会社では「自分の仕事なんて何かの役に立っているんだろうか・・・」なんて思いがちですが、小さい会社にはそれが一切ありません。
小さい会社では仕事量に対して人手が少ない分、社員1人1人の存在感がもの凄く大きい。
これはデメリットと言うよりも、それだけ頼りにされるという意味なので「誰かの役に立っている実感が欲しい人」にとってはたまらない感覚です。
自分の存在意義みたいなものを感じたい人にとっては、逆にメリットになりますね。
②労働時間は長く、休日は少ないこともある
小さい会社は人手が足りないのもありますが、就業規則が曖昧なことが多いので労働時間や休日が安定しないことがあります。
期待に胸を膨らませて、きっちり「一日8時間/週休2日の正社員」みたいなのは期待し過ぎないほうがいいですね。
もちろん小さい会社でもきちんと労働時間や休日を整備しているところはありますよ。
正直なところ、大きい会社でもアバウトなところは山ほどあるので”入る会社次第”といったところですね。
③給料や社会保険、退職金は要確認
労働時間や休日にも通じることですが、小さい会社はこういった制度が整備されていないことがあります。
今現在ある程度の規模の会社で働いているのであれば、現状を当たり前だと思わないことですね。
入社してから「こんなはずじゃなかった・・・」では済まないので、ボーナスや福利厚生など大事なことは入社前にきちんと確認しましょう。
大事なのは求人で開示されている情報ではなく、その情報を面接できちんと確認することです。
④会社の将来性や安定性は未知数である
これからどんどん大きくなっていくのか、それとも今の規模のままなのか?
小さい会社の運命は全く分かりません。将来性、安定性、本当に未知数です。何といっても”これから”ですからね。
一つ言えるのは”求人が出ているのはそれだけ会社が伸びている証拠”でもあるので、いきなり倒産するなどの心配はないということです。
これに対する対策は小さい会社の中でも、”きちんとしてそうな会社”を探し出すことくらいですね。
⑤教育制度や研修などは無いに等しい
意外と盲点なことが1つ。小さい会社にはじっくり手取り足取り教えてくれるような環境はありません。
だいたい仕事は忙しいですし、じっくり教える時間もないので初めてでも実際にやりながら覚えたりすることがほとんどなんですよ。
つまり「マニュアル」や「レクチャー」なんて期待してちゃダメってことです。何事も即実践ですね。
きちんとした教育制度の下で研修などの経験がある人は、最初はギャップに戸惑うかもしれません。すぐ慣れますけどね。
小さい会社は人間関係を良好に保つことが重要
どこの会社でも出てくる人間関係の問題。
小さい会社の場合、これに少しだけ気を配る必要があるんです。
何故かというと小さい会社は転勤もなければ異動もない、おまけに人数は少ないとなると関係が悪化した時に逃げ場が無くなるんですね・・・
小さな会社はどうしても常に顔を突き合わせて仕事をしなくてはいけないので、些細なことで関係を悪化させないように気を付けましょう。
ここに関しては最低限の礼儀や言葉遣いがきちんとしていれば、何も問題は起こりません。
大事なのは”小さくても良い会社”に入れるかどうか
小さい会社は世間から言われているほど悪いところではありません。
仮に自分の知り合いに名の知れた大きい会社で働いている人がいたとしても、負い目に感じる必要なんてありません。
小さい会社に勤めてもローンは組めますし、結婚も出来ます。
むしろ想像もしなかった恩恵を受けられたり、人生の方向が良い方向に変わるきっかけにすらなりえます。
ただこれに一つ条件を付け加えるのなら、”小さくても良い会社”に入れるかどうかが重要ということですね。
この記事で書いてきたとおり、小さい会社は信じられない様な当たりクジを引く可能性がある反面、変な会社に引っかかる可能性も多分にあります。
小さい会社だからと甘く見て、何も調べずに就職活動をすることだけはやめましょう。
時間がかかっても良いので、小さくても良い会社に入れるよう慎重に就職活動をしてくださいね。