- 仕事のできない上司から先に出世していく
- 社長の奥さんは仕事しないのに高給取り
- 経営者一族に嫌われないか毎日気が気じゃない…
同族経営の中小企業はこういったおかしなことが日常的に起こりますよね。
私も以前、こういった同族経営の会社で働いていたので痛いほどわかりますが
家族経営で中小企業=ブラック企業である確率はかなり高いと言えます。
ただ難点なのは家族経営の会社の中にいるとそこでのルールが基準になってしまうため、その「おかしさ」に気が付けない事です。
他の会社で働いてみて初めて気が付けることも多いことでしょう。
この記事ではそんな同族経営の会社が抱える問題点とそのデメリットについて、実際に働いた経験をもとに解説していきます。
目次
同族経営をする側のメリット
経営メンバーを身内で固めることによる意思決定の速さ
経営陣が社長の身内の場合は意思決定を早くできるという利点があります。
これは具体的に言うと事業の見直しや改善、新規事業の立ち上げなど通常であれば多くの時間を使って審議し決定していく過程を取り払えるという事です。
格好良く言えば「スピード感のある経営ができる」といった所でしょうか。
会社の利益を家族に給与として支払う事で税金を減らせる
会社が利益を上げていれば当然、沢山の税金を支払う事になります。
ですがその利益を身内に給与として支払ってしまえば、その分の税金を安く抑えるいわゆる「節税」が出来るんですね。
今まで不思議に思った事がある方もいると思いますが、働いている姿をあまり見たことがないのに社長が身内に給与を払うのにはそういったカラクリがあったんです。
結局、自分の家族を通して節税をしながら、また自分の懐に戻しているようなものです。
これは汗水垂らして働いている側からすれば本当に勘弁してほしいですよね。
自社株の保有率を上げることで経営権剥奪を避けられる
通常、会社は株主のものですが同族経営の場合は株式のほとんどを社長とその身内で保有している為、株式買収による経営権剥奪を避けられるという利点があります。
ずいぶん前になりますが2005年にフジテレビの買収問題が騒がれましたよね。
簡単に言ってしまうと、ああいった突発的な経営危機を防げるわけです。
これは会社の経営としては安定するので働く側にもメリットになると言えます。
同族経営の会社に勤める側のデメリット
能力とは関係なく社長のお気に入りが出世していく
これは同族経営の会社で働く上で一番納得がいかないであろう人事の問題です。
同族経営の会社で一番求められるのは仕事の能力ではなく、経営者とその周辺人物に気に入られることです。
当然ですが実際の能力は関係なく、媚びを売ることが出世の絶対条件です。
同族企業の出世の条件=仕事の能力が高い<経営者一族に気に入られる
これをみると「いやいや、多少なりとも気に入られるのは重要でしょ」と思われる方がいると思いますが、同族経営では多少ではなく気に入られることが全てなんです。
理由としては、単純に社長含めた上層部の意見が通りやすくなるからなんですね。
上は何かあったときにノーと言わないイエスマンばかりを集めておきたいという事です。
ただ、この図式が成り立ってしまうと上層部は親族とお気に入りに独占されてしまうため、必然的に出世の椅子が限られてしまいます。
真面目に仕事に励んでいるだけでは出世の道がないと言ってもいいでしょう。
経営が閉鎖的になりコンプライアンスが守られない
経営層が一族に限定されてしまうと、経営全体が閉鎖的な方向に向かってしまいます。
外部からの意見は取り入れずに自分たちが作ったルールを絶対視した結果、勤務時間や休日など労働における法律が守られないという事態につながります。
また、組織が閉鎖的になることの弊害として経営側が事業を拡大する意識が薄くなってしまい、将来的な会社の発展が望めなくなってしまう事も懸念されます。
バリバリ働いて自分の会社に大きくなってもらいたいと望んでいる人にはつまらない状況かもしれません。
⇒ こんな会社は辞めるべき!?誰も書かない辞めた方が良い会社の特徴
経営者一族に気に入られないと会社に居づらくなってしまう
同族経営の会社では、社長一族とどれだけ懇意(こんい)にできるかが重要です。
一族の誰かから嫌われてしまうという事は、社内での将来が明るくないことを意味するからです。
目立たないようにしていれば何も起こりませんが、何かをきっかけに一族から嫌われてしまい目をつけられてしまうと、解雇の対象にされてしまったり降格をさせられてしまうなどの被害に遭う可能性が出てきます。
まさに会社の私物化。私たちからすれば死の宣告です。
これは経営者一族の気分の問題なのでコントロールのしようがありませんが、些細なことからターゲットにされてしまうと最終的には会社から追い出されることもあります。
間違っても経営陣に意見をするようなことはやめましょう。
⇒ 会社への不信感から退職したい人に贈る~おかしな会社の判断基準7選
会社が間違った方向に進んだときに止める人がいない
正しい方向性に向かっているときの同族企業は、意思決定の速さなどがプラスに働くため会社の躍進につながりますが、誤った方向に進んでしまったときにはお手上げです。
意思決定が速いという事は社長の一声ですべてが決まるという事です。
勘のいい方はすでにお気付きだと思いますが、この社長の判断が誤っていた場合には誰も止めることができません。
例えそれがどんなに間違った判断でも、周りには身内とイエスマンしかいないのです。
これは会社で働く側から見ればどうしようもない事ですが、下手に意見をして目をつけられてはたまりません。
経営層が方針転換するのを胃薬を飲みながら待つしかないです。
経営者の交代などを期に会社が傾くことも
会社も長くなれば世代交代の時期が来るものです。
社長に息子がいれば高い確率で二代目になるわけですが、この世代交代のタイミングが会社の生き残りを左右する場合があります。
社長の息子とはいえ経営に関しては素人のはずです。
普通であれば周りの大人に手助けをしてもらいながら、徐々に経営者として成長していくものでしょう。
ですがこの息子がとんでもないワンマン経営者だったらどうでしょうか?
誰の言う事も聞かず、突拍子もない判断をする二代目社長であれば社員全員がそれについていかなくてはいけません。
それなりの利益を生んでいる会社であれば、取引先との関係もあるのでそう簡単には傾かないはずです。
しかし取引先と先代社長の縁も薄くなっていくにつれて、緩やかに会社が傾いていくことには変わりありません。
同族経営の中小企業からは早いうちに転職する
同族経営の会社は出世できる可能性が限られ、コンプライアンスが守られることも少ないため職場環境として決して良いとは言えません。
あなたもそういう気持ちがあったからこそ、このページを見ているんだと思います。
私から言えることは「そこでしか学べない経験が特にないのであれば、あまり長居しないほうがいい」という事くらいです。
辞めたい気持ちを持ちながらも長く働き続けてしまい、下手に経営者側に気に入られてしまうと退職するときが大変です。
こういった偏った仲間意識がある会社は退職を「裏切り」と判断する会社もあるからです。
辞めたい気持ちがあるなら会社にばれないように転職活動を始めて、面倒なことが起こる前に退職してしましょう。