このページでは「しかるべき」という言葉の意味や使い方を、例文などを交えて分かりやすく解説していきます。
「しかるべき」の意味
さっそくですが 「しかるべき」とは”そうするのが当然である”、”適正・ふさわしい”といった意味を持っています。
表記としては「しかるべき」「然るべき」「然る可き」の3つがありますが、漢字の場合は読み方が難しいため「しかるべき」という平仮名表記が一般的になっています。
よく見かける使い方としては「しかるべき対応を取らせていただきます」といった、やや硬めの表現で使われる場面が多いですね。
「しかるべき」の使い方
“しかるべき”という言葉は冒頭で解説したとおり、「適正・ふさわしい」といった意味を持ちますが、日常的なやり取りで幅広く使える類いの言葉ではありません。
これは「しかるべき」という言葉が”少し硬い・真面目なイメージ”を持っているからです。
例えば“使ったものを元の場所に戻してほしい”という状況があったとして
「それ使ったらしかるべき場所に戻しておいて下さいね」
となると少し違和感がありますよね?
意味としては「本来あるべき場所に戻してほしい」という趣旨で間違っていませんが、
「それ使ったら元の場所に戻しておいて下さいね」
でこの場合は十分に感じてしまいます。
少し視点をずらして自分の行動をあらわす表現として、「資料をしかるべき場所に戻しました」という表現なら自然ですね。
「しかるべき」の例文
「しかるべき」という言葉に対して少し理解が深まってきたところで、実際に使うイメージが沸くように、具体的な例文をいくつか紹介していきます。
- 相手方にも迷惑をかけた訳だし、何か一言挨拶があってしかるべきだ
- 私は昨日も仕事で使う道具をしかるべき場所に戻してから帰宅しました
- 君には社会人としてしかるべき行動がとれる人になって欲しいと思います
- このまま問題が進展しない場合は、しかるべき措置を取らせていただきます
- 今はまだ言えないけどしかるべき時が来たら、友人には全てを話そうと思っている
- 非常に残念だが、彼には規定に則って(のっとって)しかるべき処分が下るだろう
- そこにどんな事情があったとしても、悪人は何らかの報いを受けてしかるべきだ
この例を見ていくと、やや硬い真面目な雰囲気の時に「適切な・ふさわしい」といった言葉を言い換えるのが妥当と言えそうですよね。
逆にゆるくて砕けた雰囲気で使ってしまうと、ちぐはぐな印象になってしまうので避けた方がいいかもしれません。
「しかるべき」の類語
「しかるべき」という言葉の類語も知っておくと、その場その場で適切な表現をするのに役立ってくれます。
“しかるべき”という言葉を使うのが適切かどうか迷ったときに、以下の類語を確認してみて下さい。
- 真っ当な
- 正しい
- 当然
- 相応
- 適切な
ほとんどが同じような意味ですが、場面に応じてなるべく適切な選択が出来るように覚えておくと便利です。
「しかるべき対応」の使い方
最後に補足として、最もよく聞く「然るべき対応」について簡単に解説します。
皆さんが一番目にする機会が多いのが下記の一文だと思います。
このまま改善していただけない場合は、しかるべき対応を取らせていただきます。
「しかるべき措置」というのも多いかもしれませんね。
これは相手に対して一度注意や警告を行った上で、それでも改善・解決しない場合に相応の対処をさせてもらうという意味です。
注意や警告をしても態度を改めない相手に対して使う言葉なので、少し強めの言葉だと思ってください。
状況によってその”対応”は異なりますが、深刻な問題の場合は「法的手段をとること」を暗に示している場合もあります。
「しかるべき」に関するまとめ
ここまで書いてきたとおり、“しかるべき”は少し硬い真面目な雰囲気の時に「適切な・ふさわしい」といった表現をする際の言葉として考えるのが妥当と言えます。
日常的なやり取りの中でも使えない訳ではありませんが、言葉自体に雰囲気や場面を選ぶ傾向があるため、無理に使う必要はありません。
無理に使って間違っていたらちょっと恥ずかしいですもんね…
実際にはほとんどの場合が、類語である「真っ当な・正しい・当然・相応・適切な」辺りで事足りるはずなので問題ないでしょう。
使用する場面が無ければ会話の中で出てきたときや、書籍などで見かけた際に意味が理解できれば十分ですね。
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