トライアル雇用併用求人とは?採用率や対象年齢などの条件・問題点まで詳しく解説

トライアル雇用併用求人で働き始めた人

求人募集に掲載されているのを見て「これ、どういう意味?」から始まる事の多いトライアル雇用併用求人。

 
未経験でも応募できる求人としても知られてますけど、普通の求人とルールが異なることもあり少々難解であるのも確か。

 
恐らく一番気になっているのは採用率や対象年齢など「自分に適しているかどうか」の部分でしょうけど、正直それだけじゃあ後で泣きを見るだけです。

 
トライアル雇用併用求人には確かにメリットもありますが、悪用する企業もいるっていう問題点まで認識しておかないと丸腰で敵陣に突っ込むのと同じになる。

 
こういった問題点を調べもせずに、入社してから気付いても後の祭りなんですよね。

 
そんなトライアル雇用併用求人で泣きを見ないために、 気になる採用率や対象年齢・問題点まで詳しく解説していきます。

トライアル雇用とは

トライアル雇用の研修

じゃあ、まず根本的な「トライアル雇用とは何か」について説明しよう。

 
未経験者であっても最大で3ヶ月の試用期間を設けて実際の現場で働き、適性や能力を判断して「常用雇用」として採用するかどうかを企業側が決められる制度っていうのがトライアル雇用です。

 
ちょっとだけ長かったので内容スパッとまとめるとこんな感じ。

  • トライアル雇用は未経験者であっても働ける
  • 試用期間3ヵ月の中で働きながら適性を見る
  • 適性があれば常時雇用(正社員)になれる

 
つまり特別な技術や技能が必要な仕事でも、適性があれば経験なしで正社員になれる可能性があるのが”トライアル雇用”なんですね。

 
一応wikiも載せてきますね。

トライアル雇用(とらいあるこよう)とは、公共職業安定所(ハローワーク)の紹介によって、特定の求職者を短期間の試用期間を設けて雇用し、企業側と求職者側が相互に適性を判断した後、両者が合意すれば本採用が決まる制度。

引用:トライアル雇用 – Wikipedia

 
で、トライアル雇用の試用期間中は雇い主である企業側に奨励金が支給され、さらに本採用に至った場合も同様に奨励金が支給される仕組みとなっているんですよ。

 
またこのトライアル求人の特徴としては、求人がハローワークなど公共職業安定所の紹介に限定される点が挙げられます。

 
まぁ、これはそのまま「ハローワークの求人」にしか出てこないってことですね。

 
さて「トライアル雇用」については説明できたので、ここからは本題の「トライアル雇用・併用求人」について書いてきますよ。

トライアル雇用の併用求人とは

一般求人とトライアル求人で同時に募集をかける

さぁ本題。

 
トライアル雇用・併用求人っていうのは、ここまで説明してきたトライアル雇用の求人だけでなく、同時に一般求人からの応募も出来る求人のことを指します。

 
ここで「文章読んでも頭に入ってこない」って人もいると思うので、一般求人を引っ張り出してかみ砕いて説明しよう。

 
何だかよく分からなくなってしまった人は、落ち着いてここからの説明を読んでみて下さい。

 
下記に分かりやすい「一般求人」「トライアル雇用」「トライアル雇用併用」の3つの求人パターンを用意したのでご覧くいださい。

 

一般求人のイメージ

求人を出したい企業 → 一般求人として募集 

トライアル雇用求人のイメージ

求人を出したい企業 → トライアル雇用求人として募集 

トライアル雇用・併用求人のイメージ

求人を出したい企業 → 一般求人から募集 
          → トライアル雇用求人からも募集

 
つまり、1つの求人案件に対して一般の募集もかけ、尚且つトライアル求人での募集もかけて”併用していく”という意味なんですよ。

 
企業にもよりますがこういったトライアル雇用・併用求人の場合、その仕事に対する経験・技術を持っている人材を最優先するという意味で、一般応募の人材を採用する場合もあります。

 
正直なところ企業側としては即戦力が欲しいのはどこも一緒なので、ここはある程度の理解をしておいたほうがいいですね。

 
トライアル雇用自体が「未経験の仕事でも応募できる」といった特徴があるため、トライアル雇用・併用求人で経験者が優遇されるのはある程度仕方がない点とも言えます。

 
こんな感じで「トライアル雇用・併用求人」はお分かりいただけたでしょうか?

 
この勢いで次は気になるトライアル雇用・併用求人の採用率について書いていきます。

トライアル雇用・併用求人からの正社員採用率

トライアル雇用・併用求人の採用率グラフ

さて、みなさん一番気がかりなトライアル雇用・併用求人からの正社員採用率。

 
未経験者OKでも正社員への本採用率が低ければ意味がない。そう考える人がほとんどなので僕も興味あります。

 
まさに最重要項目。

 
勿体ぶっても仕方ないので書いてしまうと、厚生労働省が発表しているデータでは約8割ほどの人が常時雇用(正社員)に移行しているんですね。

参照:トライアル雇用助成金リーフレット(求職者向け)

 
よくよく考えれば企業側も入社の門を広げてまで募集して3カ月間研修する訳ですから、よっぽどのことが無いとクビ(解雇)にはならないというデータなんでしょう。

 
トライアル求人は前の章でも書いた通り奨励金も出ますが、未経験者にまで募集の幅を広げるということはそれだけ良い人材を求めているという証でもある。

 
このことから考えると「正社員への移行率:8割」というデータが無かったとしても、まともな会社なら正社員への道は決して難しくないと言えます。(努力は必要だと思います)

トライアル雇用・併用求人の年齢制限

トライアル雇用・併用求人の年齢制限

続いて気になる応募年齢、求人につきものの「いわゆる何歳までOKか」という年齢制限です。

 
これはあとでまた紹介する参考文献から引っ張ってきた一節。(※厚生労働省なので公式情報)

②紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業※1に就いていない

引用:トライアル雇用助成金 – 厚生労働省

これだけ見てしまうと「高校や大学卒業後の3年間」つまり18歳~25歳くらいまでの間です。

 
ただ、実際にトライアル雇用の求人見るとそれ以上の年齢書いてある求人結構あるんですよね・・・。

 
公式情報でも「35歳未満」としているところもあれば「45歳未満」としているところもあるのでまったく意味不明でに近いです。

 
いったい学校の卒業はどこへ行ったのだろうか?と思った矢先に辿り着いた情報がこれです。

①中高年齢者
トライアル雇用開始時に45歳以上であって、原則として雇用保険受給資格者又は被保険者資格の喪失日の前日から起算して1年前の日から当該喪失日までの間に被保険者であった期間が6か月以上あった者。

②若年者等
トライアル雇用開始時に45歳未満の者。

引用:トライアル雇用には、次のような特長があります。 – 厚生労働省

 
いまだ学校の卒業は何だったのか分からないが、取りあえず年齢の幅は広いというのは伝わったはずです。

 
僕も消化しきれていないですごめんなさい。

 
ただトライアル雇用の求人に応募する場合は、求人の対象年齢を見るか直接確認した方が確実で安全ですね。

トライアル雇用のメリット

トライアル雇用のメリット

ここからはトライアル雇用のメリットを応募者側・採用側から見た視点でまとめたものです。

 
いわば”まとめ”の様なものなので、軽く触れるだけにとどめますね。

応募者側のメリット

  • 興味がある職種に未経験からでも応募することができ、給料を貰って働きながら技術を学べるところ
  • 3か月の試用期間中に会社との相性や、自分自身の仕事への適性を測ることができる

採用側のメリット

  • 企業側は試用期間中に応募者の適性や能力を判断できるため、慎重に採用活動が行える
  • 試用期間中は奨励金が発生する為、企業側は通常の採用に比べて人件費を抑えられる

トライアル雇用のデメリット

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メリットと同じく、トライアル雇用のデメリットを応募者側・採用側から見た視点でまとめたものです。

 
こちらも同じ理由で軽く触れるだけにとどめます。

応募者側のデメリット

  • 3ヶ月の試用期間が終わった際に、企業側が本採用をしなければ解雇という形になる
  • 常用雇用とならなかった場合には3ヶ月という短い職歴を作ってしまう事になる

採用側のデメリット

  • 未経験の応募者がくるため、短期間の間にそれなりの教育をしていく覚悟が必要になる
  • トライアル雇用を開始・運用していくにあたり、書類作成など事務作業が必要になる

トライアル雇用の対象者と非対象者

どんな人がトライアル雇用の対象になるのか?

では実際に年齢以外の面でどういった人がトライアル雇用の対象になるのか。

 
気になっている人もいると思うので、ここからは厚生労働省による公式の発表を引用し紹介していきますね。

トライアル雇用の対象者

①紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する
 
②紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業※1に就いていない
 
③紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
 
④紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている※2
 
⑤妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
 
⑥就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する※3

※1期間の定めのない労働契約を締結し、1週間の所定労働時間が通常の労働者の所定労働時間と同等であること
 
※2パート・アルバイトなどを含め、一切の就労をしていないこと
 
※3生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者

引用:トライアル雇用助成金 – 厚生労働省

トライアル雇用の非対象者

・安定した職業に就いている人
 
・自ら事業を営んでいる人または役員に就いている人で、1週間当たりの実働時間が30時間以上の人
 
・学校に在籍中で卒業していない人(卒業年度の1月1日以降も卒業後の就職の内定がない人は対象となります)
 
・他の事業所でトライアル雇用期間中の人

引用:トライアル雇用助成金 – 厚生労働省

トライアル雇用を悪用する企業には気を付ける

トライアル雇用期間中に解雇になったときの景色

正直に言うと、中にはトライアル期間中や終了後に解雇を宣告される場合もあります。

 
理由としては、制度のルールとして基準に達しなければ常時雇用(正社員)にしなくてもいいとされているからなんですね。

 
ソースはこちら↓。

能力等を考慮した上でどうしても困難と判断される場合には、トライアル雇用だけで終了しても構いません。

引用:トライアル雇用には、次のような特長があります。 – 厚生労働省

 
ただこのルール、正当な意味合いで使うならいいんですけど中には悪用する企業もいるんです。

 
トライアル雇用は企業に奨励金が出るので、試用期間の3ヶ月だけ国から奨励金を貰いながら働かせて期間が終われば解雇する。

 
つまり、お金だけ貰って期限がきたら使い捨てる。

 
こうやって人件費を抑えて短期間の雇用を繰り返すことで、派遣社員などの代りに使うっていうひどい手口なんですね。

 
これに引っかかると、長くても3ヵ月で辞めることになるので失業保険も貰えない。

 
僕が言いたかったトライアル雇用の最大の問題点はコレなんですね。

 
だからこそトライアル雇用の求人を検討している人は、いつも以上に会社をきちんと吟味することが必要なんだな。

トライアル雇用は未経験の仕事に挑戦できるチャンス

トライアル雇用は上手く使うことが出来れば、企業と応募者の双方にメリットがある制度です。

 
安定的な就職が困難な人に雇用を作るための制度なので、よく分からずに心配している人は積極的に利用して大丈夫ですよ。

 
ただし、前の章でも述べた通りトライアル雇用を扱っている企業が善良な会社とは限らないので、応募前にしっかり調べる必要はあります。

 
“まともな会社で働きたい人”が、入社後に後悔しない会社を見抜く方法」という記事でも詳しく書きましたが、応募前に企業の実態を調べるか否かでその後の展開が全く変わります。

 
これはトライアル雇用に限った話ではなく、あとあと後悔しない会社を探すためには避けて通れないポイントなのは間違いありません。

 
面倒に感じるかもしれませんが、こういった事実から目を背けず下調べをきちんとした上でトライアル雇用の求人を検討することをオススメします。

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